メニュー

ケナコルト(トリアムシノロンアセトニド)の供給停止に思うこと

[2025.07.14]

研修医のころからすでに一般化しており、当たり前のように治療で使用していた「ケナコルトーA 筋注用・皮内用水懸注」が海外の製造工場の新製造ラインの評価に時間がかかっているため、出荷制限(一部停止)が発生しているためという理由で現在国内での販売が中断となっている状況で、再開のめども2025年7月14日現在でも立っておりません。

当クリニックでも今月中には在庫が底をつくと思われます。

この薬剤は形成外科でのケロイド治療のみならず、整形外科でも関節に注入したり、ばね指に注入したり、耳鼻科やアレルギーを扱う診療科でも鼻炎や花粉症に対して用いられるため、多方面に影響が出ています。

代替案もいくつかありますが、(特にケロイドに対しては)現状保険適応ではない薬剤であり、これをどう対応していくかはそれぞれの病院・クリニックの判断にゆだねられています。

それぞれの疾患に複数の薬剤が対応していることは、若いころには、たくさんつくってもしょうがないのでは??と批判的な感情がありましたが、こういうことが起こるととても大事なことだと再認識しました。代わりの薬剤として同様の感覚で使用できるものがケナコルトに関しては存在しないので、早く供給再開してくれることを願うと同時に、この薬剤を供給している会社のみを頼りにするのではなく、代わりの薬剤についても国を挙げて対応してほしいと思います。

うちにもたくさんの多発ケロイド、膿疱性ざ瘡などでお困りの患者さんが連日来院されています。。。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME