巻き爪と陥入爪（かんにゅうそう）の違い

巻き爪は見た目で爪がわん曲している状態のことであり、

陥入爪とは爪のわん曲の有無に関係なく爪のサイドが

周囲の皮膚に食い込んで痛み、じゅくじゅく、腫れなど

の支障をきたしている状態のことを言います。

保険診療の適応は病的な状態に対する治療と

なりますので、基本的には巻き爪の状態のみでは

自費診療になります。

 

したがって通常の保険診療のみを扱うクリニックでは巻き爪に対応していないことが多いのですが、当クリニックでは「当院の特徴」でも記載させていただきました通り、どちらにも対応できるように心がけておりますので、いくつかの方法で対応しております。

陥入爪に対する治療

• フェノール焼灼による根治術　（保険適応）

方法

・対象となるゆびの根元に麻酔を行い、食い込んだ爪を

　部分的に根元から抜きます。

・食い込んだ部分のみ爪が生えてこないよう

　に根元の爪母と呼ばれる爪のもとになる

　組織を「フェノール」という組織腐食作用

　をもつ酸性の液体を細い綿棒で約2分30秒

　しみこませます。

・きれいにフェノール液を洗い落し、　

　止血処置を行い包帯で保護し終了です。

・施術時間は約5分です。

・これまで何千人とこの方法を行ってきましたが、再発は数％でした。

利点

・縫合しないので抜糸がありません。

・化膿していても施術は可能です。

欠点

・フェノールで腐食されたところが治るまで4週間程度軟膏処置が

　必要になります。

・爪の幅が狭くなります。

・足の動脈が触れにくいなど血流に問題がある場合には適応になりません。

注意点

※出血が持続することがあり、施術後は10分程度待合室で観察し出血がなければ終了です。

※麻酔の効果には個人差があり、麻酔が効き始めるのに時間を要することがあります。

施術後の経過

　・翌日くらいまで痛みを伴うことがありますが、徐々に改善します。

　・シャワーは翌日から通常行っていただいています。（当日は止血のため包帯を外さないことを推奨しています。）　・施術部位は処方する軟膏を1日１－２回塗布し、最初は液がでるのでガーゼなどで、落ち着いてきたら絆創膏（カットバン）でよいです。ガーゼは当院で購入できます。

 

児島法に準じた爪床爪母の形成術　（保険適応）

方法

・対象となるゆびの根元に麻酔を行い、食い込んだ爪を部分的に根元から抜きます。

・根元を5㎜程度皮膚切開し爪母組織を確認し切除します。

・切開した皮膚を1－2針縫合します。

・施術時間は約5分です。

・10分圧迫し出血が落ち着いていることを確認します。

※出血が持続することがあり、施術後は10分程度待合室で観察し出血がなければ終了です。

※麻酔の効果には個人差があり、麻酔が効き始めるのに時間を要することがあります。

※足の動脈が触れにくいなど血流に問題がありそうな場合には適応となりません。

利点

・根本的に爪母を切除するので再発が

　限りなくゼロに近い。

欠点

・約2週間後に抜糸が必要になります。

・化膿がひどい場合にはいったん爪のみ切除し、

　化膿が落ち着いてから後日行うことがあります。

・爪の幅が狭くなります。

・足の動脈が触れにくいなど血流に問題がある場合には適応になりません。

注意点

※出血が持続することがあり、施術後は10分程度待合室で観察し出血がなければ終了です。

※麻酔の効果には個人差があり、麻酔が効き始めるのに時間を要することがあります。

施術後の経過

・翌々日くらいまで痛みを伴うことがありますが、徐々に改善します。

・シャワーは翌日から通常行っていただいています。（当日は止血のため包帯を外さないことを推奨しています。）

・施術部位は処方する軟膏を1日１－２回塗布し、最初は液がでるのでガーゼなどで、

　落ち着いてきたら絆創膏（カットバン）でよいです。ガーゼは当院で購入できます。

 

巻き爪リフトによる矯正　（自費）

専用サイトを確認ください。

方法

・対象となる爪の先端に装着します。

・矯正を確認し両側のワイヤーをカットします。

・施術時間は約3分です。

・ステンレス製なので金属アレルギーでも対応できます。

利点

・麻酔や縫合など痛みを伴う操作がありません。

・足の血流障害に関係なく装着できます。

欠点

・矯正をやめると再発することがあります。

・化膿している場合には使用できません。

・爪が伸びるとひっかかったりするので爪をカットして装着しなおします。

・再使用は基本的にできませんので新たに別途購入が必要です。

・もともと爪が薄い場合には爪が割れることがあります。　

施術後の経過

　・当日帰宅時からシャワーは行っていただいて大丈夫です。

 

グラインダーによるネイルケア　（自費）

厚い爪や変形した爪は普通の爪切りでは無理です。

定期的にグラインダーを使ってケアを行っております。

料金表

※初診料・再診料別途かかります。

巻爪・爪変形に対する処置

グラインダーを用いたネイルケア　1爪あたり	1,000円
巻爪リフトによるネイル矯正　1爪あたり（材料費込み）	4,500円

根治術

フェノール焼灼術	保険（3割負担で約4,200円
児島法に準じた根治術（爪床爪母の形成）	保険（3割負担で約7,500円

※爪床骨膜弁法による根治術は入院管理が望ましいためハートライフ病院で行います。