できもの
粉瘤(ふんりゅう)
沖縄では「トウフヌ(ノ)カシー」で名が通っています。診断し、患者さんに「これはフンリュウです」と言っても「なんですかそれ?」でも、「トウフノカシーです。」というと納得される方がほとんどで、それくらい有名です。
「脂肪がたまったのね」と言われる方も多くいますが脂肪ではなく皮脂腺などから排出される老廃物です。
毛穴が由来で誰にでもできうるもので一生のうちに全く経験しない人のほうが少ないと思います。
※毛穴のない手のひら・足の裏にも同様のものができますがこれは表皮嚢腫といって、見た目や治療は同じですが発生機序がやや違います。(詳細は割愛します)
通常は診察のみですぐに診断できることが多いのですが、似ているしこりもありますので、エコー検査を行うことでほぼ確定できます。
粉瘤は毛穴の開口部が詰まることにより、皮脂腺から排出される老廃物が毛穴の奥に袋(嚢腫壁)と伴いたまってできます。
やがては皮膚の外から触れるくらいに膨らんでいきます。
ふつうは自然に治りません。だんだん大きくなったり、中にはバイ菌が入り込むことで急に腫れて痛みを伴うようになり、開口部などから膿(うみ)がでてくることがあるので、その前に受診をお勧めします。
単純に膿(うみ)がたまってそれを切開しただけでは治ったことにはなりません。袋(嚢腫壁)を取らないとまた腫れてきます。炎症が強い場合や大きい場合には切開とできる範囲での袋の切除を行い小さくなってから後日2回目で根治術を行うことがあります。
当クリニックでは、特にお顔の小さい粉瘤などは、縫った傷あとを作らずきれいに小さく治せる形成外科KCの新城院長直伝のくりぬき法を行うことができますが、比較的大きな場合にはなるべく最小限の切開で摘出を行い、必要な分だけ縫合し早くきれいに治すことを目標としています。
形成外科医の縫合後の仕上がりは他科の外科医の縫合と比べるとレベルが違います。理由を上げるときりがありませんが、皮膚のやさしい扱い、適切な糸の選択や糸を通す位置、アフターケアなどです。形成外科医は研修医のころからそういう訓練を受けております。
※形成外科医が縫合してもケロイドや肥厚性瘢痕などになることがありますが、それは体質や部位、できものの炎症などの状態などに影響されるため、他科の外科医による縫合のほうが勝るということはありません。
※くりぬき法が難しい例(あくまでも私見です)
✔ 早く治したい場合(皮膚を縫うと基本的には1週間で抜糸した時点で治癒となる(傷あとが落ち着くまでは数カ月かかります)が、くりぬき法だと、できものがあったスペースが徐々に埋まり、皮膚が閉じるまでそれ以上かかることが多い。特に大きければ大きいほど時間がかかります。)
✔ 背中(皮膚が厚く、小切開で広範囲の嚢腫壁を切除しにくい。補助切開が必要になることが多い。)
✔ 何らかの理由で施術後1日1回の軟膏処置が困難な場合。(縫わないのでしばらく排液があります。)
※エコー検査を行い、5cm以上かつ病変が深い場合にはほかのできものの可能性もありますので、同じメディカルプラザ内のKAZUクリニック(整形外科)で閉所恐怖症でも安心なオープンMRI検査をお願いしたり、他の軟部腫瘍を扱う専門施設で検査や治療をお願いすることがあります。
予約の患者さんが優先ですが、可能な限りは直ちに対応できるように心がけております。
※特に土曜日は混みあっておりますので、当日施術が難しいことが多くなっておりご迷惑をおかけしております。
ほくろ除去
(アブレーション(炭酸ガスレーザー・ノンアブレーション(切開))
アブレーション:自費診療(当クリニックでは炭酸ガスレーザー(Edge ONE)で削り取ります)
ほくろを構成する母斑細胞は、皮膚表面の表皮のみではなく、真皮深層に至ることもあります。表皮はターンオーバーとして定期的に入れ替わる場所ですが、
真皮はキズの治り(ひいては傷あと)、コラーゲン、ヒアルロン酸などによる弾力性など皮膚の重要な構成要素であり、そこまで達しているということです。
したがって、そこまで炭酸ガスレーザーでしっかり切除してしまうと傷あとに影響する可能性があり、適応を慎重に判断する必要があります。
利点: 傷跡が大きくならない。眉毛などの有毛部では毛を残せる。(いったんなくなりますが生えてきます。)
欠点: ほくろ細胞の取り残しや大きなほくろの場合は再発することがあり、追加の治療が必要になります。
※無理して一度に取りすぎる(傷あとにとって大事な真皮成分を削り過ぎる)と傷あとが目立ちます。
軟膏で10日間ほどケアし、その後は日焼け対策を行い、傷あとがおちつくまで待ちます。赤みは削る深さにもよりますが、通常2カ月くらいで薄くなりはじめ、4-6カ月で目立たなくなります。
切開法:保険適用(直径 5mm 以上の大きなホクロ除去などの場合に用いられる治療法です。)
比較的大きなほくろ(8mm以上)、青色母斑、診察で悪性が少しでも疑われる場合などはこちらの方法をまずお勧めします。
利点: どんな大きなホクロでも、ほとんどの場合 1 回で除去できます。
難点: 除去するホクロの直径の約 1.5 倍くらい直線状の傷が残ります。小さいホクロの除去にはあまり適しません。 また抜糸が必要です。
※目立たないように細いナイロンの糸で丁寧に縫合します。抜糸後はアフターケアを行うことで目立たなくなります。
※ケロイド体質の場合にはこの限りではありません。
治療と経過
ホクロ部に麻酔の注射(または麻酔クリーム塗布を30分)を行い、それぞれの方法で切除します。
術後1週間程度は処方する軟膏を塗っていただきます。
直後、ちょっとしたヒリヒリ感はあるものの、痛み止めを飲むほどではありません。(希望があれば処方します。)
翌日から患部を濡らしてシャワーを浴びても構いません。
メイクは患部のみ乾くまで、または抜糸まで控えていただきます。
アフターケアとしてのテーピングの期間は通常1-2カ月ですが、きずあとの経過により適切なアドバイスをします。
ホクロに対する料金
初診料(自費の場合は2200円)が別途かかります。
施術名 | 通常料金 |
---|---|
切除 最初の1個 | 保険 |
切除 追加1個 (同じ部位3カ所まで同一。他部位保険) |
8,000円 |
炭酸ガスレーザー 最初の1個(基本料込み) | 7,200円 |
炭酸ガスレーザー 追加1個 | 3,500円 |
※炭酸ガスレーザー(アブレーション)で治療した場合、再発や取り残しに対する追加治療は同様に費用が発生します。
いぼ・フォアダイスなどに対する炭酸ガスレーザー
基本料(自費の場合は2200円)が別途かかります。
(10mm以上は基本的にレーザー適応外:要相談)
※取り残しに対する追加治療は2回まで初回料金に含まれます。
脂漏性角化症に対するアブレージョン
初診料(自費の場合は2200円)が別途かかります。
施術名 | 通常料金 |
---|---|
合計の大きさが2cm未満 3個まで | 保険 |
合計2cm以上 1個あたり | 2000円 |
追加1個ごと | +2000円 |
※2cm以上の自費診療の場合は取り残しに対する追加治療は2回まで初回料金に含まれます。保険適用の場合は含まれません。