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水虫・爪白癬

爪みずむしとか爪白癬と呼ばれるものは、原因のほとんどが白癬菌(はくせんきん)による爪の感染症です。

主に爪の周りから爪下に菌が移動し爪の変形やにごりなどを生じます。

特に痛んだり、かゆみなどがないので放置されることが多いのですが、家族やまわりのひとにうつることもあります。

原因

通気性の悪い靴を長時間履いている方など白癬菌が繁殖しやすい環境にある方が感染しやすくなります。また、糖尿病や、免疫抑制剤を必要とする病気、透析患者などでも免疫力の低下から感染しやすい状況となっています。水仕事の多い女性などの手指の爪にもみられます。

最近順天堂大学の研究で、糖尿病患者透析患者閉塞性動脈硬化症の患者で有意に罹患率が高ことが証明されました。

診断

爪下に多く菌が繁殖しているため、爪下から組織をこすり取って採取し検査します。検査方法は2通りでKOH法と真菌培養検査の2通りあります。

KOH法による検査はその場で医師が行います。採取した組織をプレパラートに乗せて顕微鏡で糸状菌がいないか調べる検査で5分程度で可能です。しかし、菌が存在していても同定できないこともしばしばありますので、陽性率が低く、当クリニックでは基本的には真菌培養検査は組織を培養しますので、培地で育つまでに時間を要するため診断は3週間程度かかります(外注検査のため)。こちらは感染が有る場合の陽性となる確率が高いという利点があります。

治療

当施設では見た目の爪の改善にはグラインダーを用いたネイルケアを行いますが、高度の変形の場合には爪が割れたり欠けたりすることも多く、飲み薬と塗り薬を基本とします。

内服薬

・基本的にはネイリンカプセルを1日1カプセルとして12週間内服を行います。他の内服薬と比べて肝機能障害が少ないという利点がありますが、内服前に肝機能の検査を推奨しております。

 また、ワーファリン(抗凝固薬)との相性が悪く、他の病気でワーファリンを飲んでいる方には処方できません。他の内服薬は肝機能障害が比較的見られることと、

 飲み合わせが良くない薬が多いため当クリニックでは積極的には使用しておりません。

 ネイリンを12週間内服後に再度検査を行い陽性であれば継続しますが陰性であればネイルケアなどで経過観察を行います。

外用剤

・近年様々な薬が発売されておりますが、それぞれ使用方法に違いがありますので、患者さんのニーズに応じて処方をしております。

 代表的なものにクレナフィン(科研製薬)とルコナック(佐藤製薬)があります。

※ とある皮膚科専門医の先生から伺ったところ、外用剤の効果は約10%であるのに対して内服薬の効果は約60%とのことです。これは薬の効果に問題があるのではなく、しっかり塗ってないことが原因だと考えております。なぜなら、1ヵ月で使い切るような量を処方して1か月後に再診していただいても「余っています」とおっしゃる患者さんをこれまで多く経験しているからです。

塗るのはめんどくさい、足に手が届かない、、、なども使用しない原因の一つです。

見た目によくなっているようでも白癬菌は残っていて再燃することが多く、根気強い治療が大切です。

 

記事監修医師

東盛貴光 院長

【経歴】

2000年 東京女子医大病院 形成外科入局

2001年 鹿児島市立病院 一般外科・小児外科研修

2011年 琉球大学病院 整形外科 手外科

2012年 東京女子医大病院 形成外科(手外科・熱傷センター責任者)

2014年 かりゆし会ハートライフ病院 形成外科 部長

2022年 貴クリニック 開設 院長就任

【主な資格】

日本形成外科学会 指導医・専門医 

日本レーザー医学会 指導医・専門医

日本熱傷学会 専門医

日本創傷外科学会 専門医

下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術 指導医・専門医

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