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結果と信頼 ー無理なものは無理ー

[2026.02.01]

医療は100%成功するというものではなく、治療には様々な合併症があり得ますので、思った結果にならないこともあります。

しかしながら患者さん本人だけではなく当然治療を行う側も100%の結果を目指して治療を行います。その結果感染や出血などによる合併症が起こってしまった場合はその対応を行います。

それに伴い思わぬ通院延長から、時間と費用負担の増加など良いことありません。

それを踏まえ、合併症が起こるリスクを受け入れたうえで、治療を行うことがお互いの信頼関係で重要となります。

QOL(Quality of Life 生活の質)の向上が言われて久しいですが、近年、PRO(patient-reported outcome:QOLなどを含む患者の視点からの評価)の重要性が言われています。症状やQOLに従って患者自身が自分で判断し、その結果には医師を含め他の者が一切介在しないという評価方法です。

具体的には、医療者側は、思ったような結果が得られていないと感じていても、患者さん自身は満足されており、喜んでいることが最も大切ということになります。そして、その逆もあります。治療する側はうまくいっていると思っていても患者さんは「こんなはずではなかった、もっとよくなるはずだった」など。

 そこには信頼関係も重要になると思います。一例ですが、手のリウマチ変形に対して人工指関節置換を行った時、実は関節脱臼しているが、見た目の形や可動域は改善しており患者自身は満足しているといった例があります。さらに、末期がんで治療を行えばまだ延命できると医療者は思っていても、患者自身はこれ以上の(苦しい)化学療法などの治療を行わず楽に送り出してほしい、そしてそうなったとき家族は満足するといった場合も当てはまるかと思います。

そこには医療者側と患者側の信頼関係があります。

・・・つい10年前くらいは、患者さんにほぼ言われなかったことを最近よく言われる・経験されるようになりました。

「必ず良くなる、左右対称になる、キズあとが無くなる、必ず失敗しないなら治療を受けます。」と診察時に言われます。

自分はスーパードクターではありませんし、かつて一世風靡し、テレビでもよく見かけたあの脳外科のスーパードクターでさえ、思ったような結果がでなかったことや、合併症はあります。重篤な合併症であとの対応を弟子が行っていて大変苦労している話も聞いたことがあります。医学に100%はありません。

上記のような「必ず」「左右ぴったり対称」「傷あとが消える」を平気でおっしゃる方は当クリニックでは対応できませんので治療をお断りしています。

 前職では医療安全の仕事にも関わっており、医療安全管理資格を得るために東京へ専門研修にも行きました。

その時のレクチャーで一番心に残っているのは、「 To error is human.」です。人である以上医師も間違うことはあります。間違ってなくても合併症は起こり得ます。重要なのはそこからのリカバリーです。例えば、もっと腕の良いドクターに紹介し対応していただくことも患者さんにとって最良の選択であることが多く、それも重要なリカバリーの一つの対応と思います。

 

繰り返しですが、前述の100%の結果を求めていらっしゃる方はうちで治療を受けることは難しいと思います。ぜひ他の施設を受診されることをお勧め致します。もちろんほかでも100%はないと思いますし、そう断言するドクターを自分は信頼できません。

 

ブログは毎月1日と15日に発信してまいります。

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