メニュー

予習

[2025.05.01]

医師としては25年経過し、年齢的な定義では初老も過ぎておりますが、まだまだ経験は足りないとも思っています。

「今日が一番若い」と言い聞かせて日々過ごしてますが、人生の終わりに近づいていることも事実です。

また、情報社会で患者さんもいろいろネットで勉強して来られる方も多くいらっしゃいます。

一つの疾患でも患者さん個々で違うのが形成外科・美容外科のおもしろいところであり、難しいところでもあります。

例えば、「胃がん」といっても一般的な分類は6種類。治療法は手術、化学療法(その種類は無数にありますが、すべての種類は決まったプロトコールで、その治癒率などがデータとしてあります)、放射線治療、遺伝子治療などになるかと思います。

手術はほぼほぼ胃の全摘出術や部分摘出(+リンパ節郭清、再建など)を行いますが、腹腔鏡下や開腹の違いこそあれ、昔の偉い先生の名前がついた定型的な術式がほとんどです。

(研修時代にたかだか2年外科研修をした程度ですので間違っていたらご容赦ください)

一方、例えば形成外科で言うと最もポピュラーな「眼瞼下垂」には先天性、腱膜性、皮膚弛緩、神経原性、外傷性など数種類にとどまり、手術の種類としてはいわゆるリフト系で皮膚を切除するなどで行うか、挙筋などの筋肉を前転させることで改善させるのか、二重の手術だけでよいのかなど限られたものになると思われがちですが、一人としておなじまぶたに出会ったことがありません。

みな、もともと左右差があり、皮膚の厚みが違い、脂肪の厚さが違い、場合によっては筋肉がはっきりせず脂肪変性していたり、 ちゃんと存在してなかったり、、、、そして希望の二重ラインにそれぞれ違いがあったり、、、、、

 

なので、基本的な原則こそあれ、毎回実際にみてその場で判断し必要な程度の皮膚切除、必要な程度の挙筋前転などを行っています。

他院で手術した患者さんの修正もありますが、それは裏を返すとじぶんが行った手術の修正もどこかで行われていることを意味すると思っています。

 

また、SNSでとんでもないことを平気で発信している某クリニックもありますので、それをみて過剰な期待を胸に秘め、同じようにしてほしい、、、、など希望を持ってこられる方もいらっしゃいます。

自分はスーパードクターではありませんので、SNSで自分の得意なことを発信している先生と同じようにできるわけではありませんし、それが明らかにおかしい適応のこともあります。

いつか下まぶたのこともこの場で呟こうかと思っていますが、SNSでは名指しで美容外科の先生たちが他の先生のことをののしりあっていて見ていて悲しいです。学会や研究会なり、どこかで討論すればいいのにな、、、と思います。そうして各診療科は発展してきましたし、患者さんにとっても有益なのではないかと思います。総じて、そのようなことは、皆の目を引くような発信を行いお金儲けに走っていると感じてしまいます。自分がyou tubeなどでアップロードしないのはそういうことです。お金儲けではありませんし、そこで発信するとまた自分もきっと攻撃されるでしょう。

脱線しましたが、、、、

その辺を見極めるため、毎朝その日の予約患者さんは事前に予習をしています。

この方は今回レーザーは何回目だから結果によって今日は強めに行おうか、弱めに行おうか、、、

この方はこういうことを目的に初診されるので、(経験はあっても)いま、どういう治療が最善なのか、、、、

など調べてからその日の診療にあたります。そうすると診療がスムースになり、患者さんの待ち時間短縮にもつながっています。

 

患者さんは私が診察室に入った瞬間に「その後どうでしたか?」など聞くこともありますが、適当に言っているのではなく、予習してこれまでの経過を把握した上でのお尋ねですので、宜しくお願いします。

※当日予約の場合には当然予習をしてないので、その場でカルテを確認したり、問診を取り直したりすることがあり、時間がか買っているかなと思いますがご了承下さい。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME